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[オイラはカメ]猫額畠居間亀日記その2

更新日:2022年8月11日

さて今回もまた中休み。畠の話ではなく、長年共に暮らす一匹のカメが語るお話。


庭に面したサッシ窓から〜♫、夏の強い陽射しィ降り注ぐ〜♪。甲羅に気持ちエエ〜♬

まずはオイラの口上…

生まれは山口県下関市スーパーニチイ屋上、育ちは東京都京王線沿線、名はア=サシオ、1993年夏の生まれの雄だ。体長は五百円玉ほど。育ての親で名付け親の母ちゃんは当時3歳。オイラはペットショップ入り口に置かれた水槽にいた。じいじ(母ちゃんの爺ちゃん)に促され、母ちゃんは岩場に何層も重なる子亀たちの一番下のオイラを指差した。

夏休みの帰省先の実家から、東京の自宅に戻ると、ガラス張りの水槽に先住者のア=カシオがいた。彼は新宿小田急デパート屋上の出身で歳はちょい上。敷かれた砂利の陸地にカシオ(呼び名)がいたんで、オイラは水場を定位置にした。オス同士なんで狭いながらもテリトリーを決める必要があるんだ。

その所為かどうかは分からんが、水槽が手狭になった頃にサシオは干からびて、10年経たない内に亡くなった。亡骸は父ちゃん(母ちゃんの父ちゃん)の手で井の頭公園に放たれた。

その後、一家は三鷹市から杉並区久我山のマンション2階に引っ越した。オイラの住処も衣装ケースに格上げされたけど、水の入れ替えもあるんで父ちゃんはケースを南側ベランダに置いた。

当時我が家の構成は、ヒトが親子3人にネコが2匹。母ちゃんの興味は来たばかりのロビンくん(仔猫オス)に移り、父ちゃんさえもネコたちの世話に忙しく、オイラのことはベランダに放置したまま。

ある晩、汚れた水の中で閃いた。

“もっと広い世界へ!”

意を決して、ベランダ手すり下の8センチほどの隙間から階下の庭にダイブした。草花が咲き乱れる柔らかな土に着地すっと、門の下をくぐり抜けて道路に出る。なだらかな下り坂をぐるっと回ると、広々とした黒くて硬い土の平野(⁉︎)に出た。夜が明けて陽が差し始めたんで、日蔭を探してウロウロしてると…知らないオッさんに捕まってしまった。


今回も読んでくれてありがとう。

コメントや質問を頂けるとなお嬉しい。

この次はまたサバイバーのつづき(^.^)b


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