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[パピヨンと呼ばれて]猫額畠居間亀日記その3

更新日:2022年7月26日

オイラの夏の避暑地〜♫ 広〜い池でプ〜カプカ♪ 伸びきる手足が気持ちイイ〜♬


初めて脱走した朝、知らないオジさんに捕まったオイラは、水を張った白い箱に入れられて、鯛の刺身をゴハンにいただいた。

また狭いスペースに閉じ込められたけど、メシはウマいし、夏なのに涼しいゾ。白い服に着替えたオジさんは、オイラの様子を覗いては声をかけてくれる。手に持つ長〜い刃物はちょっと気になるけど…。

腹一杯になって昼寝を決め込んでいたら、白いフタが開けられて…そこには心配そうな父ちゃんの顔があった。箱のまま連れ戻されて、再びベランダの我が家(衣装ケース)に移された。一応、水はキレイになっていたけど。

父ちゃん曰く「昼に居なくなっているのに気づいて、まさかとは思ったけど、ベランダから飛び出して庭から外に出てたとしか考えられない。近所に聞き込みをしてやっと見つけた」。

あのオジさんは、坂下の寿司屋『松吟』の大将で朝方駐車場をウロウロするオイラを見つけて、仕入れ用のトロ箱に入れて飼い主が現れるのを待っていたんだと。

その後しばらくはこまめに水を変えてくれていた父ちゃんも、仕事が忙しくなるとまたオイラを放ったらかしにした。

一年後に2度目の脱出を結構。ところが灰色の道を彷徨うものの、あの天国のような白い箱には辿り着けず、暑さに負けて木のおウチの軒下の土の中に逃げこんで…眠りについた。

どのくらい時間が経ったか分からないが、突然の大地の揺れで目覚めて、再び道に飛び出したところを知らないオバさんに抱き上げられて、コウバンという所に届けられた。気がつくと鳥カゴに入れられて、ネコの乾いたゴハンが与えられた。食えるワケがない!前とはエライ違いだ。

その日のうちに父ちゃんが迎えに来て

「2週間も見つからないから、もう無理かと思っていたら遺失物届けをしていた警察から連絡が来た。ウチのすぐ近くのアパートの住人が通りを歩いているカメを見つけて、近くで飼われているものだろうと警察に届けてくれた。あの地震がなかったら、どこかの土の下で亀柱になってたな」だと。

カメバシラってなんだろう…⁉︎

その後、新たな引っ越し先でも庭先から3回脱出を図った。そこで付けられたあだ名が[パピヨン]。オイラはカメ、蝶々じゃないけと…。

 

今回も読んでくれてありがとう。

コメントや質問を頂けるとなお嬉しい。

この次はまた[穴]の話しのつづき(^.^)b

画像は夏の間に居間から風呂場に移り打たせ水を楽しむサシオ


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